粘液腫

症状

起立時には重力に起因して僧帽弁内へ粘液腫(ねんえきしゅ)が入り込んでしまうため、心臓への血流が遮られ、一時的に心不全を惹起します。これは粘液腫が左心房に生じている方に見られる症状で、呼吸困難や失神を引き起こしたりします。その他、血液検査では白血球の増加及び赤血球と血小板の減少が見られます。更にレイノー現象や体重減少、発熱といった症状を訴えることもあります。尚、粘液腫はその周りに血液が付着しており、粘液腫そのものの断片及び付着した血液の塊が動脈を閉塞してしまうことがあります。その際、肺動脈であれば喀血を呈しますが、詰まった場所によってその症状も異なります。

原因

遺伝性によるものと非遺伝性のものとがあります。前者は青年の男性に多く見られる疾患で後者は中年以降の女性に多く見られます。非癌性原発性腫瘍であり、その形状はゼリー状をしています。この疾患の大半は左心房に出現すると言われていますが、遺伝性と非遺伝性を比較すると前者の方が左心房に生じる可能性が高いと指摘されています。

治療法

多くは手術を行うことで治癒へ向かいます。検査ではCTやMRI、生検、血管造影などと色々ありますが、最終的には心エコー検査にて診断を確定させます。僧帽弁逆流の際に発生する心雑音は聴診にて確認されますが、これは僧帽弁がリウマチ熱や腫瘍などによって障害を受けたためです。尚、左心房内に発生した粘液腫は血流の流れに合わせて動いていますが、その際、僧帽弁を閉じたり開いたりさせています。このため血流が遮られる瞬間が繰り返し引き起こされます。