免疫不全疾患

症状

中心となるのは易感染性で、感染症へ非常にかかりやすくなってしまいます。初期段階では呼吸器系において反復性の感染が見られます。大抵は、何度も感染を生じ、高度の細菌感染症を招いて、合併症を伴います。

原因

先天性と後天性に分類され、前者はX染色体上に存在する遺伝子との関与が指摘されており、つまり遺伝子異常を原因とします。男性の方が女性よりも多く発症します。後者はその多くが重症疾患を長期に渡って継続した結果生じます。例えば、血液疾患である白血病や再生不良性貧血、骨髄線維症、そして膵疾患や腎不全、肝臓疾患、糖尿病などが該当します。特にHIV感染に起因するエイズは後天性免疫不全疾患(こうてんせいめんえきふぜんしっかん)として広く知られています。その他、放射線療法や化学療法、免疫抑制薬の利用、栄養不足などによっても免疫不全を引き起こすことがあります。

治療法

糖尿病に起因する場合は血糖値を正常化することで白血球の作用が正常化し、感染症を防ぐことが出来ます。癌を原因とするものでは、癌が治癒することによって、免疫機能も回復することになります。感染症を予想できるケースでは早期に抗生物質の投与が行われ、例えば手術前などが該当します。エイズのような免疫不全では、ウイルス感染兆候が示されたら即座に抗ウイルス薬などを投与します。治療可能な疾患であればそれを治療し、予防することが重要であり、加えて感染症を招く要因を除去することが大切です。尚、幹細胞移植は重症複合型免疫不全症などに適用されます。