神経叢障害

症状

神経叢障害(しんけいそうしょうがい)。腕神経叢では腕全域或いは部分的に脱力そして痛みを生じ、機能不全を引き起こします。外傷を起因にするものでは緩やかに改善しやすく、症状が重ければ脱力が生涯に渡って残存することもあります。自己免疫反応を起因にするケースでは数日ないし一週間ほどで腕力を喪失し、その後数ヶ月かけて回復していく傾向にあります。腰仙骨神経叢では腰全域或いは部分的に脱力、そして痛みを発生させます。自己免疫反応に起因するものでは数ヶ月に渡ってゆっくりと改善していきますが、この改善速度は障害の原因によって違ってきます。また脱力に関しては麻痺が下肢全域に見られることもあれば、ふくらはぎ及び脚の動きのみに限定されることもあります。診断はMRIやCTの他、神経の伝導試験や筋電図などによって確定されます。

原因

外傷及び癌などが主な原因とされています。また自己免疫反応なども損傷を受ける原因になることがあります。神経叢は同一個所に結合する神経線維が一つに束ねられたもので、これが損傷を受けることで、その損傷部分より先の組織において障害が引き起こされます。代表的なのが首に位置する腕神経叢と腰に位置する腰仙骨神経叢といったものがあります。尚、急性腕神経叢炎は急激に腕神経叢において機能不全を引き起こす疾患であり、自己免疫反応が原因ではないかと言われています。

治療法

外傷に起因する場合は、自然治癒に依存されます。癌を原因とするものでは、手術によって切除することもあれば、放射線療法及び化学療法などを組みあせての治療方法が採用されることもあります。自己免疫反応に起因する神経叢障害ではステロイドの投与による治療法が行われることもありますが、その有効性は明確になっていません。