伝染性紅斑

症状

発疹を突然出現させる傾向にありますが、関節痛や微熱、鼻汁など風邪様症状を感染後一週間程度の潜伏期を経て示すこともあります。発疹は紅色であり、両側の頬に現れた後、急激に楕円形状紅斑を形成します。数日するとその範囲も拡大し、体幹より四肢に広がっていき、網目状或はレース模様状の紅斑を形成します。四肢に見られる紅斑は長期に渡って持続し、痒みを随伴させることもあります。

原因

赤い発疹が顔面両頬において生じますが、額や口の周囲、胴体にはほとんど見られません。手足及び殿部に拡大します。原因はパルボウイルスB19であり、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)は、林檎病(りんごびょう)とも言われます。一週間から二週間程度の潜伏期を経て発症しますが、感染経路は飛沫となります。小児に多く見られる、急性発疹性疾患です。気道に侵入したパルボウイルスB19は、そこで感染しウイルス血症を招きます。同時に、ウイルスが尿から排泄され、咽頭部にその存在を認めます。次いで特異抗体が作られ、これによってウイルス血症を消失させますが、今度は発疹が現れます。体内での増殖は骨髄で見られますが、これは標的細胞に赤芽球系前駆細胞を選択するためです。ヒトパルボウイルスB19に損壊された赤芽球系細胞は、赤血球を正常に作ることができなくなりますが、ウイルス血症が消えて発疹期に移行すると改善方向に向かいます。

治療法

非ステロイド系の消炎薬は関節痛に適用されます。痒みには抗ヒスタミンを用いますが、いずれも対症療法となります。これは特別な治療方法が存在していないためです。また、予防対策も確立されていません。尚、感染力は発疹期に移行すると消失します。