症状
ワイル病では出血や黄疸、蛋白尿などが見られます。初期段階では高熱に伴って悪寒を生じ、凡そ一週間程度の潜伏期を経て急激に発症します。また、全身倦怠感や全身の筋肉痛、悪心、嘔吐、頭痛、眼球結膜充血、衰弱感、右季肋部痛なども見られます。中でも筋肉痛は腓腹筋痛を生じます。熱は発症してから十日程度で治まりますが、その際、黄疸が見られるようになります。更に出血斑が粘膜及び皮膚上に現れ、下血や血尿、吐血、喀血などの出血傾向も見られます。この時期に合併症として虹彩毛様体炎や無菌性髄膜炎などを発症します。これを経過すると高窒素血症や出血傾向、黄疸などは消失していきます。
原因
病原体となるレプトスピラの感染が原因であり、熱の上昇、黄疸、筋肉痛、蛋白尿、出血傾向、眼球結膜充血などさまざまな症状を示します。経皮性に感染するため、汚染食物の摂取がレプトスピラ症の原因となります。軽いものでは犬型レプトスピラ症や秋季レプトスピラ症があります。一方、ワイル病では強い黄疸と高窒素血症を随伴させ、重症化するケースが多く、場合によっては腎不全から死に至ることもあります。尚、犬型レプトスピラ症では無菌性髄膜炎症状を呈し、秋季レプトスピラ症ではインフルエンザ様症状を出現させる傾向にあります。
治療法
ペニシリンやストレプトマイシンなどが投与されます。これらの薬剤にアレルギー反応を呈するケースではテトラサイクリン系若しくはセフェム系抗生物質が用いられます。その他、透析は腎不全に適用されます。