ウイルス性出血熱

症状

ラッサ熱では、高熱や全身倦怠感などを急激に発症します。数日で咳や咽頭痛、大関節痛などを生じ、更に嘔吐や腹部痛、下痢、心窩部痛、後胸部痛を生じます。その他、心嚢及び胸膜炎、結膜及び消化管出血、顔面頸部浮腫などが悪化した症例で見られます。エボラ出血熱も発症は急激であり、熱の上昇、頭痛、腹痛、胸部痛、咽頭痛、インフルエンザ様症状、下痢などを生じます。マールブルグ病では熱の上昇、咽頭結膜炎、皮膚粘膜発疹、頭痛、筋肉痛などを急激に生じます。消化管出血や鼻口腔出血、下痢などが悪化した症例で見られます。クリミアコンゴ出血熱では熱の上昇と共に悪寒を突如として生じ、更に関節痛、筋肉痛、頭痛などを発生させます。血管虚脱や全身性の出血が重症化した症例で見られ、肝不全や腎不全、消化管出血などが死亡例で見られます。

原因

ラッサ熱、エボラ出血熱、クリミアコンゴ出血熱、マールブルク病の四つがあります。いずれも感染後、皮膚及び内臓において出血を招きます。これらのウイルス性出血熱は感染症法の一類に属しており、その他、出血を招くウイルス病では南米出血熱、ハンタウイルス肺症候群、デング出血熱、腎症候性出血熱、黄熱、リフトバレー熱といったものもあります。尚、ラッサ熱の原因とされるウイルスはアレナウイルス科のラッサであり、エボラ出血熱ではフィロウイルス科のエボラとなります。マールブルグ病ではマールブルグが、クリミアコンゴ出血熱ではコンゴとなります。

治療法

ラッサ熱ではリバビリンが用いられます。発症してから六日以内であれば効果があるとされます。エボラ出血熱及びマールブルグ病は基本的に対症療法が中心となります。クリミアコンゴ出血熱ではリバビリンが利用される傾向にあります。