エールリヒア症

症状

一週間から二週間程度の潜伏期を経て発症します。初期症状では熱の上昇や倦怠感、全身性各個所の痛み、高度の頭痛などを生じます。悪化するに伴って下痢や嘔吐などを示すようになります。また、昏睡を引き起こすこともあります。発疹は見られない一方で呼吸困難や咳を随伴させることもあります。更に免疫不全患者では死に至るケースもあります。これは治療が遅れた場合にも招くことがあります。その他、貧血や血液凝固、白血球数の低下なども見られます。検査ではポリメラーゼ連鎖反応法が有効とされていて、これによって血中に存在する菌のDNAを検出することが可能です。また顕微鏡を用いることで、白血球にエールリヒア症特有の斑点が認められることもあり、この場合確定診断がつきます。

原因

リケッチアと非常に似ており、マダニに媒介されて感染します。人間を含めた動物の組織内に限ってエールリヒアは生存することができます。春から晩秋の間で多く発生しますが、これはマダニの活動期に該当します。ヨーロッパやアメリカなどで見られます。尚、白血球である単球や顆粒球などに感染するため、この点はリケッチアと異なります。また、種類によって感染する白血球が異なるものの、出現する症状はどれも同様になります。これは治療に関しても同じことが言えます。

治療法

クロラムフェニコールやドキシサイクリン、テトラサイクリンといった抗生物質が投与されます。