ガス壊疽

症状

皮膚などが損傷して傷を生じてから凡そ一日程度で症状が現れます。痛みは次第に高まり、力が抜け気力が落ちていきます。浅く速い呼吸と共に脈が弱く速くなります。疼痛は進行に随伴して広い範囲に達するようになります。重症感を覚える割には熱の上昇を認めません。傷は水疱を出現させ、青っぽく腫れあがります。局所性に浮腫や腫脹を皮膚に生じ、急速に進展します。最終的には壊死を引き起こし、皮膚は黒っぽくなっていきます。皮膚下は気体が存在するようなピチピチ状態となっています。重症化すると中毒性せん妄を生じます。

原因

便や尿などを含む土壌中に存在する腐敗筋が原因であり、これが生体内へ侵入することで発症します。皮膚下に生じた傷などから入り込みますが、傷が深く大きいほどガス壊疽(がすえそ)を引き起こす可能性が高くなります。傷に起因する感染のうち、現在でも死に至ることがあります。

治療法

症状の拡大を阻止する目的で、広範囲且つ深部まで切開します。これはガスを排出させるためで、切開は皮膚下のガスが存在する位置まで及びます。また、点滴によって抗生物質が投与されます。程度によっては足の切断を余儀なくされる場合もあります。ガス壊疽は出現した症状から素早く外科的措置をとることが重要であり、細菌学的検査はサブ的な存在として解釈されます。