破傷風

症状

初期段階では口が開きにくくなります。これは咬筋と呼ばれる物を噛む筋肉において痙攣を生じるためで、早くに治療すると短い期間で治癒するケースが多いとされます。傷の範囲や深さに関係なく、体の手足など、どの部分においても起こります。傷を受けてから短期間で口が開きにくくなったりすると破傷風(はしょうふう)が疑われ、重症となります。この時期に放置し、或は妥当な治療が行われなかった場合、咬筋の痙攣は顔面、首、胸、そして手足や腹部などへ広がっていきます。顔面の痙攣はやや笑ったような表情を呈しますが、これは痙攣に起因するもので汗が出るほどの苦痛となります。また微熱が見られることもありますが、多くは高熱に至りません。痙攣は背部においても生じ、有痛性となります。一定間隔を設けて生じ、これが横隔膜などの筋肉において起こると呼吸困難から死に至ることもあります。

原因

あまり傷口が見えない個所からの細菌侵入によって引き起こされます。開放的な傷口よりも頻度が高いとされ、発症は損傷してから数週間後になります。治療が遅れると死に至ることもあり、土壌内に存在する破傷風菌によって引き起こされます。

治療法

気管切開や人工呼吸を要することもありますが、鎮静薬及び鎮痛薬並びに筋弛緩薬などを用いて毒素代謝が終わるまで対処されます。これは毒素が神経へ結合した場合であり、結合していないケースでは抗毒素血清がその中和目的で用いられます。最終的に創傷個所において外科治療を実施します。