症状
急激に嘔吐や水溶性下痢が生じます。脱水及びアシドーシスを生じますが、これらは突如として水分及び電解質の消失に起因します。一般に潜伏期を数日おいて現れ、体温はどちらかと言えば下がり、腹痛は認めません。その他、腓腹筋痙攣、コレラ顔貌、痙攣、嗄声、意識障害なども見られ、急性腎不全や急性循環不全を招きます。輸液が妥当であれば、見通しも良いとされ、多くは軽い症例となっています。しかし胃を切除した人や慢性胃疾患を有する人、小児や老齢者では重症化することもあります。
原因
激しい下痢症状を示すものであり、これはコレラ菌によって生じます。米のとぎ汁様の下痢症状であり、白色の水様便が特徴となります。排泄量は非常に多く、そのため水分の喪失も大量となり、脱水状態を招きます。また血圧低下をきたし、カリウム濃度も低下することで痙攣を発生させます。日本で発病するものはそのほとんどが海外からのお持ち帰りとなります。下痢は、コレラが作り出すコレラ毒素に起因するものでありますが、喪失した水分や電解質量を補給することによって救命が可能とされています。
治療法
まず輸液が行われます。除菌には抗菌薬が用いられますが、これには排菌を早くに抑えたり、下痢の持続を解消する働きもあるとされます。基本的に全身症状の改善と除菌が実施され、加えて二次感染を防ぐことも重要となります。