ニューモシスチスカリニ感染症

症状

初期段階では、微熱、咳、倦怠感などを示します。徐々に呼吸困難を進行性に出現させ、高熱を随伴させるようになります。咳は乾性であり、エイズに起因するものでは、その持続期間が非エイズに比すると長引きます。通常、呼吸困難は進行性となりますが、これに当てはまらない場合、X線所見、呼吸音などに異常が認められないケースもあります。尚、免疫不全患者に発病した肺炎では、ニューモシスチスカリニ感染症を予測する上で、高度の低酸素血症を随伴させていることと抗生物質に有効性が認められないことが重要となります。また、うっ血性心不全や肺胞蛋白症、間質性肺炎などとの識別を要し、更に結核菌やトキソプラズマ、サイトメガロウイルスなど様々な肺感染症との区別が必要となります。

原因

真菌と原虫の中間的な微生物となりますが、かつては原虫に分類されていた経緯があります。罹患する臓器は人間では呼吸器となり、間質性肺炎を招きます。また気胸を合わせて発症することもあります。免疫機能低下を引き起こすと、高度の肺炎を生じます。本微生物は日和見病原菌であり、免疫不全から細胞内で活性化します。

治療法

サルファメトキサゾールとトリメトプリムが用いられます。また、コルチコステロイドは著明な低酸素血症に対して用いられます。その他、軽いものでは吸入によってペンタミジンが用いられることもあります。尚、サルファ薬へのアレルギー反応を示す場合、他の薬が用いられます。特にエイズでは、このアレルギー反応が高率で見られます。