水痘帯状ヘルペスウイルス感染症

症状

水痘では、凡そ二週間程度の潜伏期を経て発症します。熱の上昇と皮疹が一緒に現れます。発症する二日ほど前から感染性を有し、発症後五日程度で感染性を喪失します。喪失の目安は皮疹の痂皮化後であり、この皮疹は紅色丘疹から膿疱、痂皮と段階を経て変わっていきます。二次感染による合併症が多く見られ、特に黄色ブドウ球菌など細菌由来のものとなります。通常、成人、若しくは年長児において症状が顕著になりやすいとされます。帯状ヘルペスでは発疹と共に神経痛を随伴させます。潜伏感染は脊髄後根神経節や三叉神経節にて発生し、免疫機能低下などによって再活性化を招くと、帯状の小水疱を神経に沿って形成します。

原因

急性伝染性発疹性疾患である水痘と潜伏感染に起因する帯状ヘルペスに分けられます。前者は水痘帯状ヘルペスウイルス感染症をはじめて発症するものであり、後者は水痘帯状ヘルペスウイルスに潜伏感染したため、このウイルスが神経節から再活性化して発病するものです。日本では多くの初感染が小児期となります。このウイルスは帯状ヘルペス患者及び水痘患者の皮膚水疱内容液に含まれ、水痘患者では上気道粘膜にも見られます。感染経路は、これらの部分に直接触れるか、飛沫によるものとなります。水痘患者からのものは空気感染とされていて、麻疹や結核と同様になります。これは飛沫粒子が非常に小さく、空気を介して播種されるためで、水痘患者からの感染は経気道性になります。一方、帯状ヘルペス患者では接触感染がほとんどとなります。

治療法

中等度以上ではアシクロビルなど、抗ウイルス薬の経口投与或は静脈投与となります。特に経静脈的投与は、重症水痘患者や免疫機能低下をきたした患者などに適用されます。抗菌薬は細菌混合感染を皮疹部において生じたケースで適用されます。尚、水痘患者の内、免疫機能低下を認めない小児の症例では抗ヒスタミン薬や解熱薬を用いた対症療法で十分とされます。