腎動脈の閉塞

症状

悪化すると腰部及び下腹部において痛みが感じられます。ただ、部分的に腎動脈(じんどうみゃく)の閉塞が発生しても、これといった症状を示すことはないと言われています。高血圧を併発している場合は、突如として血圧が上昇します。こういったケースでアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬及びACE阻害薬を用いると急激に腎機能が低下していきます。

原因

腎動脈で血栓が発生することはあまりなく、その多くが体の他の場所で発生した血栓が腎動脈で詰まって閉塞を引き起こします。特に大動脈で発生したアテロームや心臓で生じた血栓の断片が原因となっています。

治療法

遮断された血液の流れを修復させると共にそれ以上の血流量低下を予防することを目的に治療が実施されます。利用される薬剤では血栓溶解薬や抗凝固薬などがあります。血栓溶解薬は、完全に動脈が閉塞されていない、或いは溶解薬の利用でスグに血栓が溶けてしまうケースに限られています。その有効性は抗凝固薬よりも高くなっています。時間の経過と共に回復不能になるリスクが上昇し、梗塞が発生するリスクも上昇します。ケースによっては動脈の血栓を手術で取り除き、開通させる治療法がとられることもありますが、手術を実施すると死亡率及び合併症の発生率が上昇します。また、手術をしたからといって血栓溶解薬及び抗凝固薬よりその治療効果が上昇するわけでもありませんので、多くのケースでは薬による治療法が行われます。一方、抗凝固薬は、血栓が発生するのを防ぎ、それ以上血栓を悪化させないために用いられます。初期段階で静脈注射を行い、その後は経口投与に移行します。