症状
腎炎症候群(じんえんしょうこうぐん)では、急性も慢性もあまり自覚症状は現れません。現れても急性の場合は尿量の減少や浮腫、うっ滞、血液による黒みを帯びた尿といったものになります。慢性の場合も長期間に渡って軽い症状しか見られず、例えば高血圧、浮腫、疲労感、呼吸困難、痒み、吐き気、食欲減退といったものがあります。特に潜在型とされるものは、定期検診などでごく僅かな蛋白尿及び血尿によって初めて気づくケースが多いとされます。
原因
急性の場合はその多くが連鎖球菌の感染に起因します。一方、慢性腎炎症候群のケースでは特定困難とされていますが、約四割はIgA腎症に起因するとの報告も見られます。IgA腎症は、最終的に末期腎不全へ進行する場合もあるとされていて、予後に注意が必要とされています。尚、IgA腎症とはIgA免疫グロブリンが糸球体に沈着してしまう腎炎のことで、血尿が出ることもあります。
治療法
短時間或いは突如として発症する急性腎炎症候群(きゅうせいじんえんしょうこうぐん)と緩やかに発病し悪化していく慢性腎炎症候群(まんせいじんえんしょうこうぐん)に分類されていて、急性の場合は多くが完治します。治療法は、ナトリウムとタンパク質の摂取制限を行い、利尿薬によって腎臓に溜まった水分及びナトリウムの排泄を促進させます。高血圧が認められれば、降圧薬の利用も考えられます。慢性のケースでは、それ以上悪くさせないために、厳しい血圧のコントロールが必要になってきます。また、尿タンパクを減少させることも大切です。