腎のう胞と嚢胞腎

症状

単純性腎嚢胞(たんじゅんせいじんのうほう)は楕円形から球形ののう胞が現れます。痛みを感じられるケースもありますが、良性のものと診断されれば経過を見ることになります。多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)では、腎機能低下が見られるまでこれといった症状をあまり示しません。進行すると、高血圧や浮腫みなど、慢性腎不全と似たような症状を現します。

原因

単純性腎のう胞は、腎臓の一部にのう胞が数個発生することが原因となります。この症状は年齢と共に頻度が増加傾向になります。多発性のう胞腎は遺伝に起因する病気であり、多数の「のう胞」が現れ、これがその周りの組織細胞を圧迫します。そのため腎機能は次第に低下していきます。

治療法

単純性腎のう胞では、症状が現れなければ経過観察となります。尿路閉塞や高血圧、圧迫といった症状が見られるケースでは治療を行います。手術では、腹腔鏡下のう胞切除や開窓術、外科的切除などが実施されます。多発性のう胞腎では食事療法と共に降圧治療が行われます。通常、慢性腎不全のそれと同様になります。後者の病気では二十歳を過ぎた頃から腎機能低下が見られます。四十歳を境に透析療法が必要とされるケースが多いと言われています。また、肝臓及び卵巣などの器官にものう胞が見られることもありますが、こちらは特に害はないとされています。多発性のう胞腎患者の場合、大半が腎不全に行き着きます。こうなると透析療法か腎移植をしなければ死に至りますが患者の全てが透析療法や腎移植を必要とするわけではありません。