ビタミンA欠乏症

症状

初期段階では網膜障害から夜盲症が示され、暗順応が悪化します。また眼球乾燥症を引き起こし、角膜及び白眼において乾燥を示します。更にビトー斑が結膜粘膜に生じることもあります。他には、呼吸器障害や食欲不振、易感染性、皮膚粘膜角化に起因する吸収障害なども見られることがあります。ビタミンA欠乏症は持続した脂肪吸収障害や高度のカロリー不足などをきたしている子供に多く見られます。

原因

脂肪吸収が阻害される腸の疾患やビタミンAを蓄積する肝臓における障害などが原因となります。また夜盲症においては化学反応によって光をall-trans retinalが9-cis retinalへ性質を変化させることで知覚しているため、ビタミンA欠乏によって引き起こされます。その他、retinal欠乏に起因する夜盲症は外傷や感染といった炎症、急性肝炎及び閉塞性黄疸、並びに肝硬変、そして甲状腺機能亢進症などによっても引き起こされます。ビタミンA欠乏症は緑黄色野菜や魚若しくは動物の肝臓などが十分食べられない区域にて発症する傾向にあります。特に発展途上国では不足がちになると言われています。診断では出現した症状と共に血中のビタミンA濃度が判断基準になります。また暗順応試験も実施されます。

治療法

内服或は筋肉注射によってビタミンAを投与します。通常、数週間程度で症状の改善が示されます。