多発性内分泌腫瘍症候群

症状

1型では、副甲状腺ホルモンの過剰分泌から血中のカルシウム量が増加し、腎結石を招くことがあります。また膵島細胞の腫瘍が見られるケースでは過剰なインスリン分泌から低血糖を生じたり、酸が多量に作られます。更に下垂体腫瘍が認められるケースでは月経周期の乱れや男性の機能の低下を招くこともあります。2A型では、凡そ半分で褐色細胞腫を見ます。また高血圧なども見られます。その他、腎結石を生じる場合もあります。2B型では、神経腫から口腔内や舌、唇の周り、眼、瞼などにコブが発生します。また下痢や便秘なども見られます。その他、手足の関節に緩みが見られたり、その部位が長くなったりする骨の異常が出現し、中でも背骨の湾曲が特徴です。

原因

1型、2A型、2B型に多発性内分泌腫瘍症候群(たはつせいないぶんぴつしゅようしょうこうぐん)は分類され、単独或は併発して出現します。1型では副甲状腺、下垂体、膵臓などにおいて複数の分泌腺に腫瘍が発生します。2A型では副甲状腺、副腎、甲状腺で複数の分泌腺に腫瘍が見られるほか、過剰に肥大したり、或は過剰な活性化を示します。2B型では神経腫、褐色細胞腫、甲状腺髄様癌といったものとなります。

治療法

腫瘍が認められるとそれを摘出する治療方法がとられます。また分泌腺の機能亢進が認められれば、これを抑制する薬が適用され、ホルモンの乱れを是正します。基本的に多発性内分泌腫瘍症候群を根治させる治療方法は知られていません。