橋本病

症状

硬く、瀰漫性の腫れが生じますが、萎縮性のものも見られます。機能低下から代謝低下を引き起こし、体重は増えていきます。これはバセドウ病とは反対の症状であり、悪化すると易疲労感、無気力、消極的、眠気、寒がりといった症状を呈します。更に難聴や顔つきも変化し、声の質が低くなったり、早口での会話にも支障をきたします。その他、心不全症状、脈拍低下、脱毛などを見ることもあり、老齢者では痴呆と誤解されるケースもあります。尚、本疾患は重症化すると死亡する症例もあります。

原因

バセドウ病と同じく自己免疫異常から引き起こされる疾患であり、橋本病(はしもとびょう)は自己免疫性甲状腺炎とも言います。甲状腺内へリンパ球が侵入するため、自己免疫性の炎症を招きます。このため、甲状腺細胞を障害し、悪化すると甲状腺ホルモンの合成が行えなくなり、機能不全を引き起こします。年齢を重ねると共に発症率も高まり、男性より女性に多く見られます。この疾患は、リンパ球がそのまま、若しくは様々なサイトカインや甲状腺組織への抗体に起因して細胞を損傷すると考えられています。多くは無症状で経過するケースとなります。

治療法

甲状腺機能に異常が認められない橋本病では経過観察のみで特別な治療は必要ないとされます。一方、異常が認められるケースでは甲状腺ホルモンが投与されます。本疾患は治癒することはないので、生涯に渡っての服用を要します。また、適切量であれば、特に副作用が出現することはないとされます。