成人スチル病

症状

一週間以上にわたる発熱が特に夕方から夜間にかけて多発します。また丘疹、紅斑、蕁麻疹、時に融合を形成して発現し、発熱と共に生じます。少ないケースで水疱や粘膜疹、膿瘍、皮下出血を見ます。更に手や足、膝、肘といった大関節部において炎症を招き、手根骨及び手根中手関節における非破壊性融合若しくは強直を引き起こす症例があります。その他、心外膜炎、脾腫、筋痛、リンパ節腫脹以外に、体重低下、間質性肺炎、急性腹症、心膜炎、肝障害、心内膜炎、咽頭痛、腎症、胸膜炎、壊死性血管炎などを出現させることがあります。成人スチル病(せいじんすちるびょう)は思春期から青年期、男性より女性に多く見られます。これらの症状が数年から十年の間に何度も発症し、時に関節障害を残存させることがあります。合併症としてアミロイドーシスや血球貪食症候群、DIC、間質性肺炎などが挙げられ、これらを併せて発症することがあります。

原因

ハッキリとした原因は分かっていません。成人スチル病のおよそ一割程度のケースで、小児期に見られます。ヘルペス、風疹、インフルエンザ、EBといったウイルスの抗体価が高値を示します。またフェリチンも通常の数倍程度の上昇を示します。

治療法

全身性にステロイドを用います。また、免疫抑制薬が使われる他、関節痛にNSAIDが利用されます。尚、成人スチル病では結節性多発動脈炎や悪性関節リウマチといった膠原病、伝染性単球症や敗血症といった感染症、悪性腫瘍などとの鑑別を要します。