症状
多尿と共に喉の渇きが急激に或は緩慢に出現します。極端に水分を喪失するため、水分を補えないと脱水症を招きます。更に低血圧からショック状態に陥ることもあります。また、夜に尿量が増加する傾向にあります。
原因
抗利尿ホルモンは体内に存在する水分をコントロールする役割を有していますが、中枢性尿崩症(ちゅうすうせいにょうほうしょう)は、このホルモンが欠乏することで引き起こされます。これには、視床下部での抗利尿ホルモンの産生不足に起因するものと生成されても血中に抗利尿ホルモンを送れないことに起因するものがあります。また髄膜炎、脳炎、脳に結合する動脈の閉鎖、サルコイドーシス、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、腫瘍、頭蓋底骨折、そして手術によって視床下部及び下垂体において障害を引き起こした場合なども原因となります。尚、腎性尿崩症は腎臓の障害によって招かれる疾患です。
治療法
抗利尿ホルモンの投与による治療方法がとられます。ただし、投与量が過剰になると水分が溜まり、浮腫などを発生させます。このため、体内で必要とする水分量と適正な尿量の調整がとれるよう、抗利尿ホルモンの投与量も増減されることになります。その他、利尿薬によって抗利尿ホルモンの生成を促進させる治療法もありますが、こちらは高度の尿崩症に対して効果が期待できないとされます。