症状
先天性βリポ蛋白欠損症、カイロミクロン蓄積症、家族性低βリポ蛋白血症、そして正トリグリセリド血症性無βリポ蛋白血症またはアポ蛋白B-100単独欠損症に脂肪吸収不全症(しぼうきゅうしゅうふぜんしょう)は分けられます。失調症、網膜色素変性、棘状赤血球を示すものは極端にβリポ蛋白欠損を生じた場合となります。これはビタミンEの吸収障害に由来します。またミクロン蓄積症においては低脂血症に限って出現し、他は見られません。家族性低βリポ蛋白血症ではヘテロ接合体において軽い神経系異常が認められます。その他の症状では特に示すものはなく、出現しても軽いものとされています。アポ蛋白B-100単独欠損症は、アポ蛋白B-100は欠損しているものの、アポ蛋白B-48には異常が認められないため、カイロミクロンは合成されることになります。
原因
脂溶性成分が体内で使われないことが原因となっており、これは脂質を運ぶ働きを有するリポ蛋白合成若しくは代謝に異常が認められるためです。このため、神経及び血球細胞形成に支障をきたします。現在アポ蛋白B-100に異常が確認されています。この物質は肝臓におけるVLDLを形成する蛋白質として作用します。
治療法
早期からビタミンEの投与による治療方法が薦められます。全欠損ではその発症も乳幼児期からとされており、成長過程に消費されるビタミンEが必要となります。投与することによって見通しも良くなると言われています。ただし、部分欠損においては必ずしも治療を要するものではないとされます。