フェニルアラニン血症

症状

フェニルアラニンが溜まることで痙攣や知能障害といった中枢神経症状を惹起します。また肌や毛髪の色素変化を招きますが、これはメラニン合成の異常に起因するものです。さらに体臭の変異や歯牙の発育異常を見ます。フェニルアラニン血症は乳児期の後半以降で発現し、新生児では特にこれといった症状を示しません。

原因

常染色体劣性の遺伝性の病気であり、PAH(フェニルアラニン水酸化酵素)の欠損が原因となります。PAHの欠損が軽ければ血中のフェニルアラニン濃度が高くなるだけですが、酷ければ尿の中にフェニルアラニンが含まれるようになります。本疾患ではメラニン生成がうまく行われなくなりますが、これはPAHがチロジンへフェニルアラニンを変化させるためです。つまり、PAHの欠損はチロジンの代謝障害を招き、その結果としてメラニン生成が減少するという訳です。フェニルアラニン血症は新生児マス・スクリーニングによって診断されます。

治療法

食事の管理が大切であり、低フェニルアラニン食などが治療法となります。また、なるべく早く本疾患を発見できるように努めることが重要です。