移植片対宿主病

症状

急性のものと慢性のものに分類され、前者は移植後一ヶ月以内に発症します。浮腫性紅斑が主に体幹及び四肢において示されます。皮疹は重症化すると融合してしまいます。そうなると糜爛や水疱、紅皮症を出現させることもあります。痒みは軽く、感じない場合もあります。後者は萎縮性病変を呈するものと紫紅色局面を多発するケースに分けられます。

原因

移植片内に含有されるリンパ球、つまり免疫担当細胞が宿主の臓器に対して免疫反応を引き起こすものを移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう)と言います。これは骨髄移植後や一般の輸血によって招くこともあります。

治療法

ステロイド及び免疫抑制薬の内服による治療方法がとられます。その際、性ホルモン及び成長ホルモンが同時に併用されますが、これは第二次性徴が遅れたり、小児の成長が遅れたりするためです。また、放射線を輸血血液に照射することで、輸血後に発生する移植片対宿主病(GVHD)を防ぐことが可能です。尚、免疫抑制薬にはタクロリムス、シクロホスファミド、シクロスポリン、アザチオプリンといったものがあります。