放射線皮膚炎

症状

急性のものと慢性のものに分類されます。前者は初期紅斑から浮腫性紅斑を示し、皮膚萎縮、色素沈着、脱毛、毛細血管拡張を呈して治癒にいたります。こちらは5Gyまでの少量ですが、これを逸脱すると糜爛や水疱を生じ、延いては熱傷のような症状を出現させることもあります。しかし、年齢や照射量、照射部位によって出現する症状も違ってきます。一方後者では、萎縮期、角化期、潰瘍期、癌化期によって異なります。萎縮期では照射後六ヶ月程度で萎縮をはじめ、毛細血管拡張や脱毛、色素沈着が見られます。角化期では角質増殖といったものが見られ、潰瘍期では潰瘍形成が見られ難治性となります。十年以上経過すると基底膜細胞癌及び有棘細胞癌といった癌化期に移行します。

原因

症状の程度は線源によって違いますが、皮膚障害を招きます。その原因は、粒子線やX線、放射性物質となります。中でも放射線は核内遺伝子を傷つけ、細胞の正常な機能を損なわせます。

治療法

慢性放射線皮膚炎(まんせいほうしゃせんひふえん)は腫瘍若しくは潰瘍を認めたら切除します。その際、血行性の高い有茎皮弁といったもので修復します。また、包帯及び軟膏といったものを用いて、外部の刺激から保護します。急性放射線皮膚炎(きゅうせいほうしゃせんひふえん)は熱傷治療と同様になります。