症状
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は小水疱が幾つも発生する病態で、痒みは様々です。好発箇所は手掌や足底で、次第に膿胞を形成し、融合します。周囲には紅暈が見られ、いくつもの膿胞を持つ皮疹が紅斑落屑性局面上に見られます。境目はハッキリしておらず、時に悪化します。また粃糠疹様落屑が頭部に見られたり、角化性紅斑が足や手の背、肘頭、下腿伸側、膝蓋に生じることがあります。更に点状のでこぼこや変形、横溝などが爪の甲に出現します。時に仙腸関節や胸肋鎖骨などにおいて骨関節炎を併せて発症することがあります。経過は慢性です。
原因
発症のメカニズムはハッキリ分かっていませんが、喫煙や歯科金属、そして扁桃炎など病巣感染が掌蹠膿疱症を誘引するとの指摘がなされています。また限局型の膿胞性乾癬との議論もされています。掌蹠膿疱症は成年、中でも女性に若干多く見られる疾患です。
治療法
ステロイド軟膏の他、メトトレキサートやシクロスポリンといった免疫抑制薬、コルヒチン、サラゾサルファピリジン、ビタミンD3軟膏などが使われます。また紫外線照射や歯科並びに耳鼻科的治療、病巣感染措置なども採用されることがあります。尚、掌蹠膿疱症では足白癬や膿胞性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、汗疱などとの鑑別を要します。