腎尿路結核

症状

腎尿路結核(じんにょうろけっかく)では痛みを伴わない膿尿と微熱を発症します。細菌は尿中において見られませんが、白濁と白血球が多数排出されています。

原因

肺結核の既往があり、その結核菌が腎臓に達することが原因となります。腎杯において緩やかに悪化していくと考えられており、早期に治療を実施すれば腎尿路結核にまで進展することはないと言われています。尚、肺結核は自覚されないケースも認められます。このため、発病の原因に肺結核の既往のみに限定されません。

治療法

下流に位置する尿管や膀胱をはじめ、他の器官にも影響を与えるため、腎結核が確認されればこういった臓器の精密検査も要します。自身が気づかないうちに腎結核に疾患している場合もあり、石灰化により機能していないケースでは治癒したと見なして経過を見ることもあります。このような疾患を漆喰腎(しっくいじん)と言います。腎尿路結核の治療法は通常、六ヶ月程度の期間、抗結核薬を投与します。状況に応じて一年から二年間程度続けて利用する場合もあります。抗結核薬では、エタンブトールやイソニアジド、リファンピシンといったものがあり、これらは複数併用して使われています。治療によって尿路の瘢痕形成を促すため、水腎症が突然進行することもあります。尚、結核性膿腎症を発症し、腎臓の大半が壊死しているケースでは、抗結核薬の継続投与を行った後、腎摘除を実施します。ただし、腎機能の修復がある程度見込めるケースにおいては、腎摘除を行わず、経過を見ることもあります。