βへキソサミニダーゼα鎖欠損症

症状

乳児型は誕生してから半年ほど経過すると自分の周りに対して無関心になる傾向があります。また精神運動の発達も止まり、逆に退行するとも言われています。発症のはじめには筋緊張の低下を示しますが、時間の経過と共に亢進を示します。痙攣発作を出現させ、徐々に除脳硬直を引き起こし数年で死に至ります。その他、ミオクローヌスは音に誘引されますが、これを示し音に敏感になります。視力低下も見られます。若年型は視力低下の他、癲癇や運動失調、痙性、精神運動の発達遅滞などを二歳から六歳頃にかけて生じます。次第に進行していきますが十代に入る頃には寝たきりに至るケースが多いと言われています。成人型は運動ニューロン疾患のような症状を示すことがあり、これは下位運動ニューロン及び脊髄小脳変性症の障害に起因するものとされます。尚、乳幼児期に生じた症例で、ゆっくりとした進行性から成人に至るまで生存するケースがあり、この場合知能もある程度維持されており、脊髄小脳変性症の様な病態を示します。

原因

GM2ガングリオシドといったものが中枢神経系に溜まることに原因する病気であり、これはβへキソサミニダーゼAの欠損に由来します。βへキソサミニダーゼα鎖遺伝子は第十五染色体にあるものであり、これに異常が認められます。乳児型、若年型、成人型などに分類されていますが、これらは発症年齢に由来します。

治療法

現段階では確立した治療方法は存在していません。診断はβへキソサミニダーゼA活性の減少の有無から判断されます。これは末梢血白血球などとなります。尚、βへキソサミニダーゼα鎖欠損症ではβへキソサミニダーゼB活性は適正範囲内となります。