ゴーシェ病

症状

ゴーシェ病(ごーしぇびょう)では一型から三型に大別されており、これは症状が出現する年齢や神経症状の有無によって区分されています。一型では全年齢層において発症し、その多くが初期段階の肝脾腫によって見つかるとされます。網内系細胞にはマクロファージやクッパ細胞などがありますが、これらにグルコセレブロシドが溜まっていきます。症状では肝脾腫をはじめ血小板減少や脾機能亢進に起因する貧血などが見られます。二型でも肝脾腫が見られ、また精神発達遅滞や斜視、嚥下困難といった症状を示します。発症は生後間もなく見られ、三歳を経過する頃には合併症を引き起こして死に至るとされます。三型は核上性眼球運動障害、ミオクローヌス、痴呆といった神経症状を示します。また軽い脳波異常が見られることもあります。乳児期から思春期が発病時期となります。

原因

網内系細胞において主にグルコセレブロシドが溜まってしまうことが原因であり、これは遺伝性に起因するグルコセレブロシダーゼの欠如によるものです。この物質はリソソーム水解酵素の一種となります。スフィンゴリピドーシスにおいて日本ではよく見られる疾患となります。

治療法

かつて骨髄移植が行われていましたが、危険性があることから近頃では酵素補充療法が一般的になっています。成長促進や肝脾腫、骨破壊の改善が見られ、そのほかアンジオテンシン変換酵素及び酸性ホスファターゼ値なども改善傾向を示すとされます。