ハレルフォルデンスパッツ病

症状

ハレルフォルデンスパッツ病(はれるふぉるでんすぱっつびょう)ではジストニア、アテトーゼ様付随意運動、固縮、舞踏病といった錐体外路症状や進行性の知能障害を呈し、たびたび視神経萎縮或いは網膜色素変性、癲癇発作などを併発します。発症年齢は早期小児型、晩期小児型、成人型に分類されており、若年層での発症が特徴となっています。軽度の成人型或いは晩期小児型では、知的障害を顕著に示さないケースもあります。

原因

淡蒼球及び黒質網様層の障害が原因と考えられており、これによって錐体外路などジストニアの徴候を示します。これらの個所は大脳基底核回路における出口に当たるところであり、淡蒼球内節及び黒質網様層の脱落を示します。また鉄を含有する色素沈着が見られ、色は茶褐色になっています。更に大脳皮質、黒質、淡蒼球に腫大した軸索が見られ、これらはジストロフィの変化に起因するものです。本疾患は1992年に報告された病気であり、ジストニア、痙性、慢性進行性知能障害を常染色体劣性遺伝において示すものとなります。

治療法

筋肉緊張の障害にはベンズトロピン、バクロフェン、ベンゾジアゼピン系の薬が適用されますが、対症療法ではドパミン受容体作動薬或いはLドパといったものを用いる治療方法があげられます。成人型では小脳症状を顕著に示すこともあり、家族性に起因するものでないと識別が困難とされています。またパーキンソン病との識別も必要とされます。脳波には特徴的なものはない一方、視覚誘発電位及び網膜電図によってそれぞれ異常が示されます。