ホモシスチン尿症

症状

ホモシスチン尿症(ほもしすちんにょうしょう)では、眼における水晶体脱臼、乱視、近視、痙攣、知的障害などが見られます。また手足が細長くなったり、血栓を血管内に生じさせたりします。更に骨粗鬆症や動静脈血栓症なども示します。血管内膜の肥厚化及びその線維化の病変から生じます。診断は、血中メチオニン上昇や尿中ホモシスチン上昇、尿におけるニトロプルシド反応の陽性などから行われます。尚、骨格異常では四肢が異常に長くなるだけでなく、背骨も曲がり高い身長になる傾向があります。また血液凝固を引き起こしやすい傾向があるため、脳卒中などを発症する恐れも指摘されています。

原因

アミノ酸であるホモシスチン及びメチオニンの代謝異常が原因となります。ファニルケトン尿症のようにアミノ酸代謝異常から中枢神経症状を示す疾患は本症も該当し、その発症率はフェニルケトン尿症の次いで多いとされます。尿中及び血中においてメチオニン増加が見られ、ホモシスチンはその前駆体となります。またホモシスチンはホモシステインの酸化物となります。発症は三歳を経過する頃に水晶体レンズにおける偏位といったものが出現し、視力低下を引き起こします。また多くに骨格異常である骨粗鬆症などを示しますが、乳児期においては異常は認められないとされます。

治療法

低メチオニン食による食事療法が基本となります。また多量のビタミンB6摂取の有効性も示唆されています。