頸動脈海綿静脈洞瘻

症状

頸動脈海綿静脈洞瘻(けいどうみゃくかいめんじょうみゃくどうろう)では拍動性及び非拍動性の眼球突出や同側頸動脈の圧力から低下する眼部における血管雑音、そして浮腫や充血が眼球結膜において生じます。また神経異常に起因する視力障害や外眼筋麻痺、眼球運動の障害、耳鳴りや頭痛といった症状を訴えることもあります。

原因

動静脈瘻が海綿静脈洞及び内頸動脈の間で発生することが原因であり、これは海綿静脈洞内において内頸動脈が損壊することに起因します。本症は硬膜動静脈と動脈瘤の損壊に起因する特発性のものや外傷に起因するものがあり、中でも後者が非常に多いとされます診断は眼球突出、海綿静脈洞拡張の確認ををCT及びCT造影にて行い、更に血管撮影で椎骨動脈、外頸動脈、両側内頸動脈を精査します。また眼部における血管の雑音、浮腫や充血が眼球結膜に見られること、眼球突出の有無が判断の決め手になります。本症の内、中年以降の女性に多く見られるのが特発性のもので、外傷に起因するものは男性、しかも中年以前に多いとされます。

治療法

小さい短絡量であれば経過観察により自然治癒することもあります。出血のリスクが高い場合には、保存療法をはじめ人工塞栓術や外科的な治療方法が行われます。