ニーマンピック病

症状

ニーマンピック病(にーまんぴっくびょう)において酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損によるものは急性型と亜急性型、慢性型に大別されています。いずれも発病時期とその経過から区別されています。またA型とB型に分類されており、前者は乳児期に発症し、精神発達の遅滞、哺乳障害、痙攣、リンパ節腫大、肝脾腫などを呈します。骨髄内に泡沫細胞が現れ、空胞化が末梢血リンパ球に認められます。後者も乳児期において初めに肝脾腫で見つかるケースが多く、精神発達遅滞のほか、失調など神経症状を呈します。また泡沫細胞が骨髄内に認められます。その他骨髄内の泡沫細胞や肝脾腫で見つかる例が多いとされる成人型も存在します。こちらはあまり見られない疾患であり、神経症状も軽微となります。遊離型コレステロールの細胞内転送過程において障害を生じるものは乳児期に生じると精神発達遅滞と共に肝脾腫も重症となります。このケースでは黄疸を呈することもあります。一方乳児期から未成年の間に発病する例では精神発達遅滞、骨髄泡沫細胞、垂直性核上性眼球運動障害、肝脾腫などを示します。成人型はあまり見られませんが、症状を示すと垂直性核上性眼球運動障害の他、悪化していく痴呆、肝脾腫、小脳失調などを出現します。

原因

遊離型コレステロールにおいてその細胞内転送に障害が見られるものと酸性スフィンゴミエリナーゼが欠けるものの二つが原因となります。前者は第十一染色体において遺伝子座があり、後者は第十八染色体に遺伝子座があります。網内タイプの細胞にあらゆる度合いの糖脂質或いはコレステロール、スフィンゴミエリンを溜める特性があり、骨髄内において泡沫細胞を示し、肝脾腫を出現させます。

治療法

確立された治療方法は現段階において存在していません。