ピック病/前頭側頭型

症状

ピック病(ぴっくびょう)で主軸となるのは感情障害や人格障害などであり、これらはいずれも最初の段階から示されるようになります。また言語障害も初期から示されると言われています。抑鬱状態や怒りっぽくなったり、その一方で無関心さや多幸といった変化を人格に関して示します。更に抑制力が欠けたり、無作法、反社会的行動、滞続言語と呼ばれる同じ言葉を何度も発するといった言動を示し、判断力の低下が伺えます。本症は痴呆よりも精神病として診断されてしまうケースが多いとされており、これは知能障害よりも人格障害が先に示されるためとも解釈できます。このためアルツハイマー病との識別も必要となります。尚、前頭側頭型痴呆では記憶障害や人格障害の他、常同症や認知機能障害といったものも呈します。

原因

タウ蛋白の沈着傾向があり、アルツハイマー病よりその発症率は低くなってます。普通は中年以降の初老期に見られ、ピック病以外にも前頭側頭型痴呆というものがあり、こちらは萎縮が前頭葉と側頭葉において出現します。萎縮が大脳半球に示されており、その比率は前頭葉で四割程度の萎縮、側頭葉においても四割程度の萎縮が見られます。またこれらが混在する萎縮は全体の二割程度になっています。タウ沈着はグリア細胞と神経細胞に示されており、膨化が神経細胞と細胞封入体において見られます。細胞封入体は神経細胞における細胞質内に存在します。

治療法

本症は痴呆由来の疾患であるため根治させる治療方法は確立されていません。また見通しも良いものではなく、次第に進行していきます。検査では萎縮の確認が前頭葉及び側頭葉を対象にして行われ、同時に人格変化などが精査されます。更にアルツハイマー病との識別が必要です。