脊髄動静脈奇形

症状

脊髄動静脈奇形(せきずいどうじょうみゃくきけい)。硬膜動静脈瘻ではくも膜下出血に由来して急激に生じるケースが多いとされていて、発症年齢も五十歳以降と言われています。中部胸髄から腰椎にかけて多く見られ、上胸部及び頸部には非常に少ないとされます。硬膜内動静脈奇形では悪化して少し症状が回復し、これを繰り返しながら進行していきます。また初期段階では運動麻痺、痙性対麻痺、膀胱障害、背部痛などを生じます。更に悪化に伴って弛緩性麻痺へと痙縮が進展していくケースが多く見られます。発症年齢は二十歳以前とされていて、先天性の奇形であり、脊髄全長に認められます。

原因

動脈血が静脈に混入することから血流の圧勾配が正常ではなくなり、血液うっ滞に起因する低酸素状態を作り出します。脊髄血管系における動脈及び静脈の短絡が原因であり、硬膜内動静脈奇形と硬膜動静脈瘻に分けられています。後者は本来椎間孔静脈叢の周辺において根及び髄質動脈と髄質静脈が分かれている個所を髄質静脈及び硬膜動脈が短絡しています。脊髄表層を包むような形で髄質静脈は曲がりくねって存在します。また静脈圧は上昇し、動脈血をも含有します。

治療法

早期発見によってなるべく早く治療することが重要となります。手術ではカテーテルを用いた塞栓術などがあります。また、動静脈瘻部を血管撮影にて得た画像をもとに直視下において措置が講じられることもあります。尚、脊髄動静脈奇形では脊髄出血との識別が必要となっています。