イソスポーラ症/サイクロスポーラ症

症状

一週間程度の潜伏期を経て高度の下痢を生じます。粘性或は水様の下痢を何度も招くため、体重減少や腹部不快感を生じます。また、軽い熱の上昇も見られます。エイズ患者では下痢も間欠的であり、長期に渡って継続します。これはエイズに限らず免疫不全をきたしている患者全般に見られます。体重低下も著明であり、それに伴って衰弱も激しくなります。ただし、免疫機能に異常が認められない場合、十日程度で治癒します。

原因

いずれも腸粘膜上皮細胞内で増え、下痢症状を呈します。イソスポーラ症はエイズ診断の際の指標疾患になっているもので、昔から日本において見られます。オーシストが外界において成熟するわけですが、もともと腸粘膜上皮細胞内で未成熟となっています。これは便中に含まれたまま排泄され、汚染された食物を経口摂取することで感染します。また、人間にのみ感染します。サイクロスポーラ症は輸入された生成食品などに病原体が含まれており、これを経口摂取することで感染します。もともと発展途上国に見られるものですが、旅行や輸入された食品などによって先進国でも発症します。いずれの場合もHIV感染をきたしている患者では慢性化した下痢が見られる傾向にあり、重症化します。

治療法

ST合剤が用いられます。しかし、その効果は最初だけで、免疫機能低下をきたしていると何度も発症するため、治りにくくなる傾向があります。