腸チフス/パラチフスA菌

症状

初期段階では熱の上昇を認めますが、腸管感染症であれば、下痢を示すこともあります。第一病週の終わりではバラ疹や肝腫、脾腫、などを認め、熱も段階的に上昇します。また下痢や便秘、舌苔、徐脈なども見られる事があります。第二病週では腹部膨満感、チフス顔貌、気管支炎、下痢、便秘、意識障害、難聴、鼓腸、稽留熱などが見られます。第三病週では次第に解熱が進み、弛緩型熱となります。また腸穿孔や腸出血のリスクが高まる時期でもあります。第四病週では解熱と共に回復を示します。

原因

発症のシステムは、チフス菌及びパラチフスA菌によるものと、これら以外のサルモネラ症とで違いがあります。腸チフス及びパラチフスA菌に起因するものはチフス性疾患であり、パラチフスB菌に起因するものは非チフス性疾患となります。日本でもかつては多く見られましたが、現在衛生管理の発展からほとんど見られなくなっています。ただし、食品由来のものや輸入感染は現在も考えられる感染源となります。

治療法

耐性菌のケースでは第三世代セフェム薬の一部若しくはニューキノロン薬が適用されますが、一般にはクロラムフェニコール、ST、アンピシリンが用いられます。菌は胆汁や血液、便から検出し、これは非チフス性サルモネラ症に準じます。保菌が見られると、培養が胆汁及び便にて実施されます。