症状
播種状黄色腫(はしゅじょうおうしょくしゅ)では、小結節ないし丘疹を生じます。好発箇所は、眼瞼や鼠径外陰、腋窩、肘窩膝膕といった間擦部などで、その他体幹に見られます。色調は黒褐色から黄紅、黄色で、個疹は多発します。またこれらが融合局面を形成したり、対称性ないし汎発性に出現します。更に角膜、結膜への侵食はあまり見られないものの、気管支や口腔、消化管、咽喉などの粘膜を侵します。これによって摂食困難や呼吸困難を訴えます。その他、下垂体侵襲に起因する尿崩症が四割程度、肺や骨を侵襲するケースがあります。また少ないケースで脂質やコレステロールの高値を示しますが、多くは血清脂質値に異常を認めません。
原因
組織球増殖症で脂質の鈍食を引き起こすことが原因です。これによって、黄色腫細胞若しくはツートン型巨細胞を発現させます。
治療法
内用でステロイド薬が用いられます。また、切除する手術を行うこともあります。更に呼吸の作用や尿崩症への注意を要します。予後は呼吸器が高度に侵されている場合、不良です。しかし、尿崩症や皮疹が自然に畏縮するケースもあります。