肥厚性瘢痕

症状

褐色ないし鮮明な紅色を呈する色調で、半球状隆起或は扁平隆起を呈します。境界はハッキリしており、本疾患は結合組織の増殖に由来します。肥厚性瘢痕は創面を超越して高度な隆起が生じることはなく、圧痛も伴いません。これは瘢痕ケロイドでも同様となります。一方、真性ケロイドでは、側圧痛を生じます。また、悪化に伴って次第に側方へ広がって行き、度々退色扁平化した中央部を形成します。

原因

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、自然萎縮が数年内に生じるものを言います。これは過度な創傷治癒に起因するものであり、紅褐色を呈する隆起性病変が、創面に一致して見られます。健康な人でも認められる疾患です。瘢痕ケロイドは、隆起がそのまま続くもので、肥厚性瘢痕が消失しないものを指します。また、真性ケロイドは、上記に加えて強い隆起がそのまま進行したもので、盛り上がりも創面を大きく超越します。

治療法

重症化した場合、外科的切除後に圧迫包帯やトラニラスト内服、ステロイド局注、ステロイド軟膏ODT、放射線照射などが適用されます。初期段階では、外科的切除や放射線照射を行わないケースもあります。本疾患は難治性であり、中でも真性ケロイドを引き起こすと、切除によって腫瘤を刺激し再燃や肥大化することもあります。