症状
紅斑から腫瘤を形成する疾患であり、誕生間もない乳児に認められます。生後にまず紅斑を生じますが、これは毛細血管拡張性のものであり、腕や顔面などに見られます。これが次第に大きくなり、数ヶ月で隆起を有する腫瘤へと変化します。この外観が苺のような形状をしていることから、苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)と呼ばれています。硝子圧に起因して小さくなったり、退色を呈します。腫瘤には柔軟性がありますが、潰瘍形成を見ることもあります。柔らかい瘢痕を残存させますが、学童期に至る頃には消退します。
原因
鮮やかな色彩を持つ紅色の腫瘤は、血管が未熟な上にそれが増殖するために発生します。これは異常のない毛細血管組織として、血管芽細胞の細胞塊が分化できないことに由来します。血管形成異常の一形態であり、本態は血管内皮細胞の増殖となります。
治療法
本疾患を認めた時期から色素レーザー療法が実施されます。これは瘢痕が残存してしまうためで、治療はなるべく早期に行われます。特に眼球圧迫や口唇に発生した場合、或は誕生後半年経過しても拡大する場合は、治療を要します。ケースによってはステロイドの全身投与が行われます。尚、かつては経過観察するのが一般的でした。