尋常性疣贅

症状

凡そ数ヶ月の潜伏期を経て小丘疹を発生させます。進行するに伴って疣状に隆起します。小児の指趾、手足の背部に見られ、大きさは数センチに達するものもあります。尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)には、足底疣贅、ミルメシア、色素性疣贅、点状疣贅、糸状疣贅があります。これらは感染した場所やヒト乳頭腫ウイルスの遺伝型に由来しますが、原則、尋常性疣贅となります。足底疣贅は角化性の病変が認められ、比較的隆起しません。ウオノメやタコと呼ばれているものに良く似ていますが、種類を異にします。ミルメシアは、HPV-1感染に起因するものでドーム状の小結節を手掌足底に発生させます。圧痛を随伴させ、発赤を見るケースが多いです。見た目は噴火口状になっており、伝染性軟属腫に良く似ています。色素性疣贅はHPV-4及び65による感染がほとんどであり、少ないケースでHPV-60によるものも見られます。別名ではクロイボとも呼ばれるもので、色素沈着が見られます。点状疣贅はHPV-63由来の感染疣贅であり、足底において白色点状角化病変が認められます。糸状疣贅は、長く細く伸長した小突起を呈し、径は凡そ数ミリになっています。主に頸部や頭部、顔面において出現します。

原因

パポバウイルス科に属するヒト乳頭腫ウイルスが原因となります。主にHPV-2が中心となりますが、他にも存在します。

治療法

基本的に凍結療法が実施されます。これは液体窒素を用いたものですが、治療する場所によっては適用されません。例えば手掌足底などは効果が得られにくいと言われており、こういった場合は焼灼術や局注によってブレオマイシンが投与されることもあります。その他、グルタルアルデヒド外用やヨクイニン内服などによる治療法もありますが、こちらは多発性病変に適用されます。尚、焼灼術はレーザーや電気メスを用いたものであり、ヨクイニンは鳩麦種子抽出物のことを言います。