血管浮腫・血管神経性浮腫・クインケ浮腫

症状

血管浮腫(けっかんふしゅ)の前駆症状として頭痛や食欲不振、胃腸障害などを示しますが、突然限られた部分において浮腫を招く病態です。触れると若干硬く、肌色から淡い紅色、蒼白色を呈し、数時間から数日の間継続します。頬や唇、眼瞼など顔面に出現する傾向があり、しばしば痒みや熱感を生じます。時に粘膜にも発症し、こういった発作が長期間に渡って再燃します。蕁麻疹より深部の皮下組織で作用を起こします。尚、本疾患は血管神経性浮腫若しくはクインケ浮腫とも呼ばれます。

原因

血管浮腫が遺伝性に起因する場合、C1エステラーゼインヒビター欠損及び機能異常があげられます。常染色体性優性遺伝でありC1INHが関わっていると考えられています。また女性に限定して見られる伴性遺伝性の三型も存在します。非遺伝性の場合、薬剤や壊死性血管炎、後天的なC1エステラーゼインヒビター欠損、そして血管作動性ペプチドであるセロトニンやヒスタミンの作用といったものが原因となります。

治療法

遺伝性の場合、C1-インアクチベータやメチルテストステロン、抗プラスミン薬が用いられます。また気管を切開する症例もあります。声帯浮腫のリスクが高く、病状が軽くなる傾向を示しません。血管浮腫が非遺伝性の場合、抗ヒスタミンやステロイド、エフェドリンなどを投与します。これらの治療に加えて誘発する条件を取り除くことで軽快を示します。