症状
初期段階で小結節を生じます。色調は黒で、徐々に大きくなっていき、浮腫性で暗紅色の色調を出現させます。痂皮及び糜爛を簡単に生じ、容易に出血傾向を示します。悪化すると腫瘤結節を作り、リンパ節や肝臓、肺などに転移します。延いては血気胸を招いて死に至るケースも少なくありません。スチュワートトレヴス症候群は、リンパ浮腫を乳房切除術後に発生させ、これを長い期間持続させた結果、脈管肉腫を出現させたものを言います。尚、平均生存期間は初診から死に至る間で凡そ一年になっています。また、五年生存する確率は僅か数パーセントとなります。
原因
血管及びリンパ管内皮細胞増殖に由来する悪性腫瘍となります。肺へは血行性に転移する傾向があり、見通しは非常に悪くなっています。尚、血管肉腫(けっかんにくしゅ)は、悪性脈管内皮細胞腫とも呼ばれています。
治療法
転移が見られず、全身状態が良好であれば、広範囲切除術と共に化学療法や放射線療法が併用されます。また、動注及び局注にてIL-2が組み合わせて用いられることもあります。尚、本疾患では特有の臨床像を呈するため、それをもって診断できますが、確定診断では生検を実施します。