色素失調症

症状

皮膚症状は炎症期、疣状苔癬期、色素沈着期、色素沈着消退期の四期に分けられます。炎症期は小水疱に紅斑を随伴させたものが主に体幹へ生じます。これを誕生時から一週間内に呈し、次第に糜爛や膿疱を形成します。この状態が数週間ないし数ヶ月ほど続き、徐々に改善方向に向かいます。また、脱毛が生じることもありますが、これは頭皮に出現した皮疹に由来します。疣状苔癬期は誕生後二ヶ月から三ヶ月程度より角質増殖性の疣贅状丘疹が沢山発生します。稀に成人に至るまで持続するケースもありますが、多くは数ヶ月で消えていきます。主に四肢末端に見られます。色素沈着期では、皮疹の見られたところに色素沈着が生じます。誕生後半年程度から紫褐色ないし灰褐色の色調を呈します。網目状や飛沫状、線状など多彩な配列を特徴とします。色素沈着消退期は色素斑が消えていく頃の時期を指していて、五歳頃から思春期にかけて大抵消失していきます。

原因

NEMOと呼ばれるXq28にマッピングされた遺伝子の変異が原因となります。大半は孤発例であり、女児に多く見られます。男児で遺伝子異常を有する場合、ほとんどが胎内で死に至ります。これは色素失調症(しきそしっちょうしょう)がX染色体優性遺伝することに由来します。

治療法

基本的に皮膚病変へは対症療法となります。これはその多くが自然に消失していくためです。ただし、奇形や合併症などが考えられる場合、なるべく早く治療を行います。母親が色素失調症に罹っているケースでは男児のほとんどが死産若しくは流産を招き、女児では多くのケースで色素失調症を発症します。