進行性指掌角皮症

症状

突然水を使った作業が増加したケースで見られます。進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)の初発は指尖端掌側で、次第に中枢部を侵します。前腕を侵すことはなく、中心となるのは指腹で、手の平に及ぶこともあります。軽く潮紅を随伴させ、乾燥性で肌のキメが粗くなります。亀裂や粃糠様落屑が認められ、指紋が見えにくくなったりつやを示すこともあります。裂けた局面には疼痛を招きますが、痒みを伴うことはありません。夏に改善し、冬に増悪する傾向があり、たいてい利き手が酷くなります。

原因

主婦などで洗剤や水を使う機会が突然増えることが原因となります。また機械的刺激なども原因となります。アレルギー体質との関係が指摘されていますが、かつては甲状腺機能失調や月経障害といった内分泌障害が背景にあるのではと指摘されていた時期もありましたが、最近では否定的になっています。欧米では手湿疹の一つと捉えられているため、日本でも主婦手湿疹の一異型と解釈する傾向もあります。ただ、日本では古くから進行性指掌角皮症を独立疾患として判断してきたようです。

治療法

炎症が見られればステロイド軟膏が用いられ、裂けてる状態が酷ければ亜鉛華軟膏が塗布されます。また、尿素軟膏やサリチル酸ワセリンなども使用されます。そのほか、手袋を着用したり、外的刺激を避けることも重要となります。