症状
境目のハッキリしない丸い鱗屑局面が頭部に見られる病気が頭部白癬(とうぶはくせん)で、形状は大小さまざまです。周囲の毛はグレーっぽくなっており、胞子鞘で包まれます。またその毛は抜け易くなっており、折れやすくもなっています。黒点型は毛孔の中に黒点が生じるもので、これは痛んだ髪が抜け落ちてその毛孔が点状を形成したものです。大抵はTrichophyton violaceumやTrichophytn tonsuransと呼ばれる毛内菌によるものです。頭部白癬は特にこれといった症状を示さないため、自覚症状も乏しくなっています。診断不十分で外用ステロイドを間違って使っていると、ケルスス禿瘡へ移行する恐れもあります。
原因
Microsporum canisとTrichopyton rubrumが病原菌となります。前者は猫から感染するもので、後者はステロイドによるものです。またTrichophyton tonsuransなどを原因にするケースもあります。鑑別を要するものでは乾癬や脂漏などがあげられ、KOH法を行います。菌が少なくてほとんど検出できないケースでは培養によって始めて確定診断がおりることもあります。
治療法
内用で抗真菌薬であるテルビナフィンやグリセオフルビン、イトラコナゾールといったものが投与されます。外用として抗真菌薬を用いると、効果を得られないだけでなく、かえって増悪させるケースも考えられます。そのほか、患部に生えている毛はなるべく取り除き、亜鉛華単軟膏は鱗屑や痂皮を軟化させるために、これを塗布します。