ウェゲナー肉芽腫症

症状

初期段階では壊疽性膿皮症に良く似た皮膚病変を示すこともあり、早くに発見されることもあります。上気道粘膜糜爛、副鼻腔炎、鼻出血、血痰、眼球突出、呼吸困難、鼻漏などを生じ、これらは上気道或は下気道における壊死性肉芽腫性病変に起因します。細小動脈は体全域において損傷し、内蔵障害、関節炎などを招き、徐々に腎病変を引き起こし、腎不全を生じます。また、大半において水疱、紫斑、結節、膿疱、潰瘍、紅斑、壊疽性丘疹など様々な皮疹を出現させます。いずれも四肢及び殿部において対称性に出現します。男女共に認められ、青壮年に良く見られます。

原因

自己免疫の関与が指摘されていますが、ウェゲナー肉芽腫症(うぇげなーにくがしゅしょう)発症の詳細は分かっていません。しかし、好中球及び単球活性化が影響しているものと指摘されており、これは、抗好中球細胞質抗体(ANCA)の中で自己抗体であるC-ANCA(PR3-ANCA)の働きに由来します。

治療法

かつては腎不全などを招いて死に至ることが多かった疾患であるものの、現在では早期治療によって寛解を示す症例も多くなっています。基本的に免疫抑制薬若しくはステロイドの全身投与による治療方法が行われます。また、免疫抑制薬ではシクロホスファミドが多く利用されます。