膀胱・三焦~六腑の変調~

腎から要らなくなった水分を届けられる場所が膀胱(ぼうこう)です。いわゆる尿のことですが、その排泄機会を判断するのが腎の役目でもあります。膀胱のバランスに変化が出現すると、この腎とのやり取りがうまく行われなくなり、溜めることと排泄する調節機能に支障が出ると考えられています。尿の混濁や漏れ、排尿量が増えたりその回数が増加したり、排尿困難などの症状を訴えます。

水分が通過する道を三焦(さんしょう)と言います。詳細には腑を指しているのではなく、臓腑の隙間を意味していて、水分の他、気の通り道でもあります。上下に腹部を貫通しており、上焦(じょうしょう)、中焦(ちゅうしょう)、下焦(げしょう)の三つがあります。この三焦のバランスに変化が生じると、水分代謝に異常を来たすと、東洋医学では考えられています。上焦、中焦、下焦のいずれかに異常が発生するとそこに水分が溜まります。浮腫が見られるのはこのためだと考えられており、尿の排泄もうまく行われなくなります。こちらは下へ水分が降下してこないためです。

口から尿道及び腸までの管系統として把握される六腑は、そこに異常が発生すると消化吸収及び排出に関与する病状がよく現れます。