血脈から血が漏出しないようにする働きのことを統血(とうけつ)と言います。東洋医学では当該作用が弱まると不正出血をはじめ、血尿や血便など血の漏出が見られるようになると考えられています。正確に言えば血が滲み出ていることを意味していて、血脈の破れとは異なります。この統血も脾の働きの一つです。
脾のバランスの変化は味覚や肌肉(きにく)にも影響を及ぼすと考えられています。また唾液の分泌量にも異常が出て、過剰になると食べ物をあまり噛まなくなったり、口内乾燥が見られるようになります。逆に分泌量があまりないと、食べ物をうまく飲み込めなくなったり、口から唾液があふれ出たりします。これらは脾が口と肌肉に深い関与を持っているためと考えられており、脾の悪化は口のほか肌肉のつやを失わせ、痩せたり力なの無さなどを示したりします。
更に脾は思考とも深く関係しており、悩みなどの考えすぎは脾の損傷を招きます。また考えがまとまらなくなるのは脾の悪化から昇精に支障を来たしているためで、血や気が脳に十分循環しないためだと言われています。