蔵精・腎精・髄

精を溜めている腎のことを蔵精(ぞうせい)と言い、腎の働きの一つです。蔵精の働きは腎のバランスの変化によってその調子を狂わし、腎精不足を招きます。この状態では記憶力低下、転倒、足腰のだるさなどを生じます。小児では発達遅滞を招きます。また老化の進行を早めることもあります。

栄養を骨に補給しているのが髄(ずい)であり、これは骨の内部にあります。東洋医学では髄を生じる働きが精にあると考えられており、腎精不足は髄を減少させ骨の弱体化を招きます。これは骨格に限らず歯にも当てはまります。骨粗鬆症などは老化現象の一つですが、腎精から養分を十分与えられないために起こると考えられています。

記憶力減退や認知症などは脳の機能低下から引き起こされますが、これは脊椎内部を通る髄の減少によるものと考えられています。脳に結合されている髄が減少するということは即ち脳の機能に支障を来たすという訳です。