津液は各臓腑とそれぞれ相互に影響しながら体の全域を巡っています。これには脾や腎、肺、三焦(さんしょう)、肝などが該当し、いずれかの働きが低下すると津液の流れに異常が出てきます。つまり津液が滞ってしまうことで、これを湿(しつ)と言います。液体ですが粘度が高く、人体に対しては悪影響を及ぼすと考えられています。例えば、下痢を招いたり浮腫などが見られるようになったりします。この状況が続いて凝集が見られるようになると今度は痰と呼ばれる状態になります。また、津液がうまく体外へ出て行かないことによっても浮腫を招きます。これは腎臓などの臓器が十分機能しないことで尿がうまく排泄されなかったり、肺の機能悪化から汗腺が閉塞してしまうことなどが原因です。
津液が体の中で十分に生成できなくなった場合、胃や脾の機能が低下してたり、不規則な食生活、栄養不足などが要因になると考えられています。一方、排尿や発汗の増加なども原因となります。体内の津液が不十分になると細胞や肌の水分が喪失し、あらゆる症状を招くようになります。また関節にも影響を与えると考えられており、動作を滑らかに行えないようになっていきます。水分が減るため便秘を招いたり、尿量も少なくなってしまいます。